相続登記の申請義務化目前!相続登記が済むまでは誰が固定資産税を払う?納税方法や注意点、揉めないための工夫について解説します

いよいよ相続登記の申請義務化が目前となりました。

当センターでも非常に多くの駆け込み相談がございますが、皆さんはしっかり対応できていますか?

相続登記は不動産に関わることですので、関連して固定資産税についても多くの相談が寄せられています。

本章では相続登記が済むまでの間、固定資産税は誰が支払うのか?という疑問に答えて解説していきたいと思います。

これについては相続人間で揉める原因にもなりやすいので、揉めないための工夫も織り交ぜながら見ていきます。

固定資産税の納税義務は誰にある?

話の大前提として、固定資産税の納税義務は毎年1月1日時点で登記簿上の所有者となっている人です。

これを踏まえて、相続不動産の場合の取り扱いについて深掘りしていきます。

相続登記が完了するまでの不動産は誰のもの?

不動産を相続する人が確定し相続登記が済んでしまえば、その名義人に対して役所が固定資産税の納付書を送ることになります。

問題はそれまでの間、不動産の所有権はいったい誰にあるのか、固定資産税の支払いは誰がすることになるのかということです。

相続登記は来月から義務化されますから、一定の期限までに不動産を相続する人を決めて相続登記をしなければなりませんが、ケースによってすぐには決まらないこともあります。

相続人が複数いる場合、不動産を相続する人が決まらない間は相続財産たる不動産は相続人全員で共有している状態におかれます。

つまり相続人全員が不動産の所有者ということです。

原則論では毎年1月1日時点の登記簿上の名義人が固定資産税を支払う義務がありますが、亡くなった人からは税金を徴収できないので、役所は所有権を引き継いだ相続人から徴収することになります。

次の項では、複数人の相続人(共有者)がいる場合に誰が固定資産税を支払うことになるのか見ていきます。

共有状態の不動産の固定資産税は誰が払う?

共有状態にある不動産の固定資産税の納税義務は、共有している相続人全員に生じます。

この点でまず知っておかなければならないのは、この場合は「連帯納付義務」が生じるということです。

連帯納付義務とは、所有者である各相続人全員が、“全額”の納付義務を負うものです。

各相続人の法定相続分の割合に応じて固定資産税を負担すれば良いのではなく、あくまで全員が、全額の納税義務を負う点に留意します。

これは見方を変えると、誰かが全額を納付すれば他の相続人は納税の責任を免れるということです。

しかし徴税する役所から見ると、誰に請求すればより効率良く税金を取れるのか判断が付きにくいため、地方税法の規定により代表相続人を決めて納税の窓口になってもらうことができるようになっています。

実務的には被相続人と最も近い関係にあると思われる相続人に対し、役所から代表相続人を決めて役所に教えてくださいねという主旨の申告書が送られてくるので、これに代表者となる相続人とその他の相続人の氏名等を記入して役所に届け出ることになります。

役所から申告書が送られてくる前に自主的に申告しても問題ありません。

役所としては必要な税金が納められればそれで良いのですが、次の問題は相続人同士の内部関係においてどのように扱われるかです。

代表相続人は求償が可能

代表相続人は固定資産税の支払いについて、役所との関係において一時的に窓口になる立場です。

多くの場合、代表相続人が個人の財産で立て替えて固定資産税を支払うことになりますが、立て替えた分は不動産を引き継ぐ相続人が後日決定した段階で求償することができます。

求償とは立て替えた分を返してくれと要求することです。

ここで、不動産を正式に引き継ぐことになる相続人が立替払について理解していないと文句を言われることもあるかもしれません。

ですから代表相続人となる人は、他の相続人に対し、あくまで自分が一時的に立て替えるだけなので、後で不動産の所有者が決まれば自分が支払った分を請求するから、その時は責任をもって返してくれよと周知し、納得を得ておくとトラブルを避けられます。

代表相続人となった人が後日正式に不動産を引き継ぐことになれば他の相続人に求償する必要がなくなるので、できればその不動産を引き継ぐ可能性が最も高い相続人が代表者になっておくと余計な手間やトラブルを避けられます。

代表相続人に関連する注意事項

ここで代表相続人に関連する注意事項を確認しておきます。

①分割が済んだ後に改めて相続登記が必要

役所に代表相続人の申告手続きを取ったとしても、それで不動産登記簿上の名義が変わるわけではありません。

代表相続人の申告はあくまで固定資産税の支払いの便宜のために市区町村に対して行う手続きですので、法務局で扱う登記とは全く関係がないのです。

登記簿上の名義人はまだ亡くなった被相続人のままなので、遺産分割協議がまとまり不動産の所有者を決定したら、改めてその者に名義変更するために相続登記の手続きが必要です。

②現所有者の申告を3ヶ月以内に行う必要がある

地方税法では、自治体が不動産について現所有者の届け出をさせることができるとする規定があり、これにより相続人は相続発生から3ヶ月以内に現所有者の名前や住所などの届け出が必要になります。

この手続きを怠ると10万円以下の過料に処せられることがあるので注意を要します。

相続不動産で共有となっている場合は共有者全員分について申告が必要になりますが、基本的にこの届出は上記の代表相続人の申告手続きで賄うことができる自治体が多いです。

代表相続人の申告書面には相続人全員の氏名や住所を記入することになるので、これで現所有者の申告を合わせて行うことができます。

ですから代表相続人の申告を相続発生から3ヶ月以内に行うようにしておけば基本的にはOKです。

ただし自治体によっては代表相続人の申告と現所有者の申告で別の書類を求められる可能性があるので、心配であれば地元の役所に問い合わせておくと安心です。

相続登記が済むまで納税を放置すると罰則があります

所有者が決まらない間は固定資産税を支払う必要がないだろうと勝手に考えて放置していると税務上のペナルティを受けることになるので放置してはいけません。

必要な固定資産税の納税を怠ると延滞金のペナルティを受けることになり、これは民間の借金事案における延滞利息と同じ性質なので滞納が長引くほど余計な割増金が加算されてしまいます。

延滞金は年によって加算割合が変わり、仕組みとして複雑なのでここでは詳説を避けますが、年数パーセントの割り増しがかかるので金銭的に損失が出ます。

さらに滞納が続くと財産の差押えを受けることになり、上述のように相続人は連帯納付義務を負っているため、代表者はもちろん、それ以外の相続人の財産も差押えにあう危険があります。

代表者になった人がその後納税を長期間怠ると他の相続人の財産も差押えられる可能性がありトラブルになること必至ですので、滞納が起きないように注意してください。

まとめ

本章では相続登記が済むまでの間、遺産となった不動産の固定資産税は誰が支払うのかについて見てきました。

相続登記の義務化は来月からスタートしますが、不動産を引き継ぐ人がすぐに決まらない場合、固定資産税の支払いについては代表相続人を決めて市区町村の役所に申告が必要です。

できるだけ手間を減らしトラブルを避けるためにも、不動産を引き継ぐ可能性が最も高い人が代表者になるように調整してみましょう。

固定資産税の支払いを滞納すると延滞金という厄介なペナルティの対象になるので、もし不動産を引き継ぐ人をなかなか決められない場合でも、滞納が起きないように細心の注意を払ってください。

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