財産を相続したときにかかる税金は?

亡くなった人の財産を相続した場合、どのような税金がかかるのでしょうか。一般的に相続税がかかることは広く知られていますが、実は相続税だけでなく、贈与税や固定資産税などが課税されるケースもあります。また、相続税が発生するかどうかだけでなく、「相続税申告が必要かどうか」の判断や、「相続税を自分で計算できるのか」といった実務的な疑問も多くの方が抱えるポイントです。

この記事では、相続税を中心とした財産相続にかかる税金の種類や仕組みの概要、申告の必要性の判断基準、さらに相続税を自分で計算するための基本的な考え方について、わかりやすく解説します。

1.相続した財産は原則として相続税の対象になる

相続とは、亡くなった人(被相続人)の財産を引き継ぐことです。相続が発生して被相続人の財産を引き継いだときに、引き継いだ財産に課される税金が相続税です。特に非課税とされている財産を除いて、被相続人の財産で経済的な価値のあるものが相続税の対象になります。

1-1. 相続税がかかる財産

相続税は、次のように実質的に被相続人の財産と考えられるものにかかります。

①本来の相続財産

原則として、被相続人が亡くなったときに所有していた財産(現金、預貯金、土地、建物、株式、貴金属、自動車、著作権、会員権など金銭に見積もることができる財産)のすべてが、相続税の対象となります。

②みなし相続財産

みなし相続財産とは、被相続人が亡くなったときに所有していた財産(本来の相続財産)ではありませんが、実質的には相続により取得した財産と同様のものとして、相続税を計算するうえでは相続財産とみなされる財産です。被相続人が保険料を支払っていた生命保険の死亡保険金や被相続人の勤務先から支払われた死亡退職金などが、みなし相続財産として相続税の対象となります。

③生前贈与財産

被相続人から生前に贈与を受け、贈与税の申告で相続時精算課税を適用していた財産や、被相続人が亡くなる前7年以内(2023年12月31日までに取得した財産については3年以内)に被相続人から贈与を受け、贈与税の申告で暦年課税を適用していた財産は、相続税の対象となります。

贈与税(生存中に譲り受ける財産に課税)と相続税(亡くなったときに引き継ぐ財産に課税)は異なる種類の税金ですが、いずれも財産を無償で受け取るときにかかる税金でつながりがあるため、相続人に対する一定の生前贈与財産については、その贈与時の評価額を相続財産に加算することとされています。ただし、すでに支払った贈与税額のうち加算された贈与財産に相当する額は、相続税額から控除されます。

1-2. 相続税がかからない財産(非課税財産)

相続によって取得した財産でも、財産の性質などの観点から、次のような財産については非課税とされています。

①墓地・墓石、仏壇、仏具など先祖をまつるための祭祀財産

②国や地方公共団体などに寄付をした財産

③死亡保険金や死亡退職金のうち一定額

相続税の対象となる死亡保険金や死亡退職金を相続人が受け取ったときは、それぞれ一定額(500万円×法定相続人の数)までは相続税がかかりません。

1-3. 相続税がかかる財産から差し引けるもの

相続人が被相続人の借入金などの債務を引き継いだ場合は、相続財産から差し引くことができます(債務控除)。また、葬儀社への支払いなどの葬式費用を負担した場合も、その費用を差し引くことができます。

1-4. 相続財産が一定額を超えている場合に相続税がかかる

財産を相続したとしても、必ずしも相続税がかかるわけではありません。相続税においては、遺族の生活のため、法定相続人の人数に応じて相続財産の一定額までは相続税がかからないように、基礎控除が設けられています。このため、相続財産の課税価格の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えていた場合に、相続税がかかり、相続税の申告と納付が必要になります。相続財産の課税価格の合計額が基礎控除以内であれば、相続税はかからず、相続税の申告も必要ありません。

相続税は、基本的には、相続により取得した財産の課税価格の合計額(相続財産+みなし相続財産+生前贈与財産-非課税財産-債務-葬式費用)から基礎控除額を差し引いた課税遺産総額に対して、相続税の税率(10%~55%)をかけて計算します。

1-5. 相続税を減額できる主な特例

相続税には、配偶者の生活保障や相続人の居住への配慮などの観点から、次のような相続税を減額できる特例が設けられています。ただし、こうした特例の適用を受けるには、相続税の申告が必要です。

①配偶者の税額軽減

被相続人の戸籍上の配偶者は、財産を相続しても、財産の課税価格が1億6,000万円までか配偶者の法定相続分相当額までであれば、相続税がかかりません。

②小規模宅地等の特例による土地の評価減

一定の適用要件を満たしている親族が被相続人の居住用や事業用に使用されていた一定の宅地等を相続したときには、相続税の課税価格の計算において一定面積まで土地の相続税評価額を最大80%減額することができます。

1-6. 相続税の申告期限

相続税がかかる場合は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10カ月以内に相続税の申告と納税を行わなければなりません。期限を過ぎると、延滞税や加算税が課されることがあり、また結果として相続税がかからない場合でも相続税の特例の適用を受けるには期限内の申告が必要とされているものもありますので、注意してください。

2.生命保険の契約の形態によっては死亡保険金に贈与税や所得税がかかる

生命保険の死亡保険金を受け取る際には税金がかかりますが、税金の種類は、契約者(保険料の負担者)、被保険者、受取人の設定の仕方(契約の形態)によって異なります。先に紹介したように、生命保険の被保険者である被相続人が保険料の負担者で、受取人が相続人の場合は、死亡保険金に相続税がかかります。

これに対して、生命保険の被保険者が被相続人であっても、保険料の負担者が被相続人以外の場合には、死亡保険金に贈与税や所得税がかかります。

2-1.贈与税がかかるケース

受取人と保険料の負担者が異なる場合は、死亡保険金は保険料の負担者から受取人への贈与とみなされ、贈与税がかかります。なお、贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、110万円を超えた部分が贈与税の課税対象となります。

贈与税の税率は、基礎控除を差し引いた課税価格に応じて段階的に高くなるよう設定されており、最大税率は55%となっています。同じ課税価格であれば、一般的に贈与税の方が相続税よりも高い税率が適用されます。

2-2.所得税がかかるケース

受取人と保険料の負担者が同じである場合は、死亡保険金は受取人の一時所得となり、所得税がかかります(総合課税)。一時所得の金額は、収入金額からその収入を得るために支出した金額と特別控除額(最高50万円)を差し引いて計算し、その2分の1が総所得金額に算入されます。

3.相続した不動産には相続税のほかに固定資産税や登録免許税がかかる

不動産を相続した場合は、不動産の所有者には固定資産税がかかります。また、相続した不動産の名義を変更する登記には登録免許税がかかります。登記とは、所有する財産についての権利を登記簿に記録し、公示する仕組みです。権利を登記することによって、登記した所有権などの権利を第三者に対して主張できるようになります。

なお、不動産を取得したときは通常は不動産取得税がかかりますが、相続による取得の場合は非課税とされています。

3-1.固定資産税とは

固定資産税は、毎年1月1日現在に所在する固定資産について、その所有者に課される地方税です。不動産の所有者が亡くなっているときは、不動産を相続し現に所有している者に固定資産税がかかります。また、相続した不動産が市街化区域内にあるときは、都市計画税もかかります。

税額はいずれも固定資産税評価額×税率で計算し、税率は多くの市区町村で固定資産税は1.4%、都市計画税は0.3%となっています。ただし、居住用家屋の敷地となっている住宅用地については、これらの税金が軽減される特例があります。

3-2.登録免許税とは

登録免許税は、登記や免許などを受ける者に課される国税です。不動産登記では、相続により取得した不動産の所有権の移転の登記(相続登記)を受けるときに登録免許税がかかります。税額は不動産の固定資産税評価額×税率で計算し、相続の場合の税率は0.4%と定められています。

なお、相続登記は、2024年4月1日から義務化され、不動産を取得した相続人は、原則として相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。正当な理由もなく違反した場合は、罰則として10万円以下の過料が科されることがありますので、注意してください。

4.まとめ

相続によって受け取ったすべての財産には、原則として相続税がかかります。ただし、相続する財産によっては、相続税以外の税金がかかるケースもあります。そこで、相続が発生したときは、相続財産を把握した段階で、どのような税金がかかるかを想定して相続対策を行うことが重要です。相続税がかかる場合には、相続税がかからない財産や相続税を軽減できる特例もありますので、うまく活用すれば節税につながります。

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